鷹です。
30代後半でノンキャリ国家公務員(地方局)からノンキャリ国家公務員(本省)へ転職し、その後40代になって民間企業へ転職しました。
私は、公務員として20年弱働いていましたが、このまま公務員として働き続ける将来に疑問を抱き、民間企業へ転職しました。
そして人間らしい生活ができるようになり、転職して本当に良かったと心から思えています。
なので、私は公務員から民間企業へ転職した方がいいと思っていますが、一方で、この大転職時代に公務員を経験していて良かったなと思うこともあります。
この記事では、公務員であることのメリット、そして現役公務員が今後どういう心構えで仕事をしていくべきかについて解説します。
公務員であることのメリット
まず、公務員には一般的に以下のようなメリットがあると言われています。
安定した収入と福利厚生
生涯安定収入: 年功序列制を基盤とするため、勤続年数に応じて安定した収入が得られるというメリットがあります。
充実した福利厚生: 健康保険、厚生年金、退職金など、充実した福利厚生が受けられます。
住宅手当: 賃貸住宅の場合、家賃補助を受けることができます。
社会貢献
国民のために働く: 国民の生活を支える重要な役割を担い、社会貢献を実感できます。
地域社会の発展に貢献: 地域住民と密接に関わり、地域社会の発展に貢献できます。
安定した雇用
リストラが少ない: 公務員は、民間企業に比べてリストラされるリスクが低く、安定した雇用が確保されています。
定年まで働ける: 身分が保証されているため、滅多なことでは職を失うことがなく、定年まで働くことができます。
社会的ステータス
高い社会的地位: 公務員は、社会的に高い地位と信頼を得ています。
結婚相手としても人気: 結婚相手として人気が高く、婚活では非常に有利です。
番外編:一般的には公務員のメリットと言われているが、私にとってはメリットではなかったこと
一般的には公務員のメリットと言われていても、私にとっては「メリットではなかった」ことや「関係なかった」こともあります。
ワークライフバランスの実現
公務員のワークライフバランスについて、一般的には以下のとおり言われています。
- 定時退勤: 残業が少なく、定時退勤しやすい職場が多いです。
- 休日取得: 年次有給休暇の取得率が高く、プライベートの時間を確保しやすいです。
- 育児休業制度: 育児休業制度が整備されており、子育てと仕事を両立できます。
これは、こういう働き方が実現する部署も存在する、というだけで全ての公務員がこのような働き方ができてるわけではありません。
かくいう私も、こういう働き方ができる部署とはほぼ無縁で、基本的には次のような働き方でした。
- 残業当たり前(しかも部署によっては月50時間超が毎月…とか)
- 年次有給休暇は上から「使え」と言われるから細切れに時間休を取得してなんとか15日程度消化(したことにるす)
- 育休は誰でも取得できるが、子育てしながら花形部署での勤務は困難(子育てしながらキャリアを積みたい人にとっては「両立できる」とは言い難い環境)
※私は子どもがいませんので育休取得はしていません
特に、残業当たり前、年休もあまり使えないとなると、小さい子どもがいる職員はこんな働き方はできません。
当然、定時退勤、休暇取得がしやすい部署での勤務となりますが、これらの部署はキャリアアップにはなりません。
子育てする人はキャリアを諦めなければならないという実情がありました。
(もちろん、子どもがいてもやる気がある人、能力が高い人というのは存在するので、そういう人たちにキャリアを積ませるための取り組みはありましたが、まだまだ限定的なものという印象です)
キャリアアップの機会
公務員には、以下のとおり様々なキャリアパスやスキルアップの機会(研修制度)があると言われています。
まるで嘘…ということはありませんが、公務員経験者としては、あまり腑に落ちません。
歴史のある大きな省庁であれば、その省庁内で様々な部署があるため、多様なキャリアパスがある…と表現できなくもないですが、所詮は「公務員」として様々な部署を渡り歩き、3年前後で異動してまた別の部署へ行きます。
「専門性を深める」ことなんて到底できません。
また、これも大きな省庁であれば研修制度も充実していると思いますが、その時所属している部署の専門的な研修であり、異動すれば受けられません。
受けることが禁止されているわけではありませんが、自業務に直接関係のない研修を受けさせられる予算も時間もない…というのが実情かと思います。
これらは全て、小さい省庁になるともはや該当しません。(組織が小さいので部署も少なく、「多様な」キャリアパスはない、教育制度も整っていないなど)
大転職時代に公務員を経験していることのメリット
私は公務員から民間企業への転職を勧めていますが、公務員として働いていた経験は、転職に良い影響を与えたと思っています。
公務員から民間企業への転職を考えている人は、以下のメリットを活かして転職活動に取り組んで考えるといいのではないかなと思います。
高い年収を引っ提げて転職交渉ができる
公務員の給料は低いとか、民間企業と比較して見劣りするなど言われていますが、個人的には違和感があります。
私が見てきた公務員の現場では、30代半ばで700万円前後の年収ですし、残業が多い部署であれば1000万円超もいたって普通です。
年収1000万円は国民の上位1%に入る…と言われていますが、これは「民間給与実態調査」の対象者の中での上位1%なので、公務員を含めたら結構な人数が1000万円超だと思います。
もちろん、年収が高いなら公務員を辞めずに定年まで勤め上げればいいのでは、という考えもありますが、年収が高い分、仕事量も責任も重く、この大量の業務量と責任を定年まで抱え続けなければなりません。
人間らしく生きていくためには、あまり好ましい環境ではないことは事実です。
じゃあどうするかと言うと、高い年収を引っ提げて、転職で年収交渉するのです。
転職する際、現在の年収から下げたい、下がってもいいという人はほとんどいません。
ですので企業側も、「この人を採用したい」と思ったら、現在の年収以上の年収を提示する必要があります。
つまり現職の年収が高ければ高いほど、転職後の年収も高くなる可能性があるのです。
ただし、公務員からの転職は、基本的には未経験として扱われますので、1000万円超を狙うのは現実的ではないことに留意してください。
公務員で身につけた、業務遂行スキルの獲得能力を活かすことができる
民間企業に転職して感じたのは、公務員のように定期的な人事異動があるわけでなく、異動があったとしても引き継ぎ期間はしっかり設けられているため、公務員のように、発令日から「はい、あとはよろしく」ということはないということです。
公務員時代は、予告を受けてから発令日までの1〜2週間の間に数時間の引き継ぎを受け、かつ自分も後任者へ引き継ぎをし、発令日からは新しいポジションで自分の責任の下、業務を進めるという環境でした。
「異動したばかりでまだわかっていなくて…」なんていう言い訳は、せいぜい異動から1ヶ月程度しか許されません。(1ヶ月でも長いくらい)
その感覚で、転職当初から仕事を進めようとしたところ、「そんなに急がなくて大丈夫」「焦りすぎ」といったコメントをもらい、かなり衝撃を受けました。
転職当初から企業側の意に沿わない姿勢を取って印象を悪くするのは避けたかったので、素直に周りのペースに合わせることにしました。
が、普通に仕事をしているだけで、あっという間にキャッチアップできてしまい、上長からも「想定以上にキャッチアップが早い」と驚かれました。
公務員としては至って普通のレベルだと思いますので、実は公務員というのは新規の業務を身につける能力が高いという特徴があるんだなと感じました。
これは転職には非常に有利なスキルですので、職務経歴書等で具体的に言語化することで、アピールポイントにすることができるはずです。
まとめ:一度は公務員になることはオススメ
公務員として一生働き続けることは、人生設計としてあまりオススメできません。
公務員という世界以外で通用するスキルが身につかないこと、そして井の中の蛙になるからです。
ただし、高い年収、業務遂行スキルの獲得能力といったところは公務員だからこそ得られるメリットです。
人生の一部にそのメリットをうまく取り入れることは非常にオススメできると思っています。
現在公務員の方で民間企業への転職を考えている方は、自身を持って転職活動に取り組んでください!
★転職活動をしてみようかなと思った方!次の記事でおススメの転職サイトと転職エージェントを紹介しています。
コメント