【公務員も例外じゃない?】ダニング=クルーガー効果が組織に与える影響と対策

30代後半公務員の転職

鷹です。

30代後半でノンキャリ国家公務員(地方局)からノンキャリ国家公務員(本省)へ転職し、その後40代になって民間企業へ転職しました。

「難しい試験を突破した人しか公務員になれないのだから、私は優秀」

もし、公務員であるあなたがそう考えているのだとしたら、それは大きな間違いかもしれません。

公務員の世界も、ダニング=クルーガー効果とは無縁ではありません。

むしろ、組織の特性上、この心理現象が顕著に現れる可能性すらあるのです。

本記事では、ダニング=クルーガー効果が公務員組織に与える影響と、その対策について詳しく解説します。

ダニング=クルーガー効果とは?

ダニング=クルーガー効果とは、能力の低い人ほど自分の能力を過大評価し、能力の高い人ほど自分の能力を過小評価する心理現象のことで、認知バイアスの一種です。

特に、以下のような特徴があります。

  • 能力が低い人や経験の浅い人が陥りやすい
  • 自分の能力が不足していることを認識できない
  • 他者の能力を正確に推定できない
  • 主観に頼った認識をしている

この効果は、私たちの日常生活や仕事において、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

公務員は、組織の特性上、この心理現象が顕著に現れる可能性があると触れましたが、特に「能力の低い人ほど自分の能力を過大評価」する現象の方が現れやすいと言えます。

公務員組織でダニング=クルーガー効果が現れやすい理由

公務員組織でダニング=クルーガー効果が現れやすい理由は、以下の特性があるためです。

年功序列制度

年功序列制度は、年齢や勤続年数に応じて昇進・昇給が決まる制度です。

この制度では、能力に関係なく一定の地位や給与が保証されるため、能力の低い人が自分の能力を過大評価してしまう可能性があります。

逆に、能力の高い若い人は、年功序列という制度のために適正な評価がされず、自分の能力は低いと誤認してしまう可能性もあります。

公務員は典型的な年功序列制度の世界です。

年功序列制度から脱却しようと人事院も考えているようですが、簡単なことではありません。

閉鎖的な組織文化

公務員組織は、外部との交流が少なく、閉鎖的な組織文化を持つ傾向があります。

そのため、自分の能力を客観的に評価する機会が少なく、能力の低い人が自分の能力を過大評価してしまう可能性があります。

一昔前と比較すると、経験者採用や選考採用といった形での中途採用が増えてきましたが、全体で見るとまだまだ少数です。

しかも、前職も公務員という人が中途採用で入ってくることも多くあるので、純粋に民間企業経験者の中途採用者は限られてきます。

そして、せっかく民間企業経験者という外部の空気が入ってきているのに、そういった外部の空気・意見が拒絶されるということが多々あります(私はそれを眼の前でよく見てきました)。

そうしてせっかく入ってきた経験者たちは潰されて公務員を去っていってしまいます。

当面は閉鎖的な組織からの脱却も難しいでしょう。

前年踏襲主義

公務員組織は、前例踏襲主義が根強く残っています。

言ってしまえば、「前回と同じことをする」だけなので、頭を使って新しいことを考えるという機会がありません。

しかも、ひたすら同じことを繰り返してきた人の方が、その「同じこと」に対する経験値は豊富ということで、新しいことに取り組む人は、「同じこと」で経験値が高い人から潰されがちです。

潰された人は組織を去っていくか、もう新しいことに取り組まなくなります。(稀に、そういう困難を突破して組織を改革していく人もいますが、そういう人って、身近に味方になってくれる仲間がいるものです。身近に同志がいなければ、そんな困難を突破する気力はなかなか生まれません。)

組織全体として新しいことに挑戦する機会が少なく、能力の低い人が自分の能力を過大評価してしまう可能性があります。

ダニング=クルーガー効果が公務員組織に与える影響

ダニング=クルーガー効果が公務員組織に与える影響としては、以下のようなものが考えられます。

「公務員組織に与える影響」と書いてはいますが、これらはどのような組織出会っても共通です。

組織の停滞

能力の低い人が重要なポストに就くことで、組織全体のパフォーマンスが低下する可能性があります。

サービスの質の低下

能力の低い職員が住民対応を行うことで、住民サービスの質が低下する可能性があります。

職員のモチベーション低下

能力の高い職員が正当に評価されないことで、モチベーションが低下する可能性があります。

あなたはどうしたらいい?

ダニング=クルーガー効果を踏まえると、自分で自分の能力を測ることはできない、ということとなります。

公務員として働くあなた自身は、何をどう意識していけばよいのでしょうか。

自己認識の重要性を理解する

ダニング=クルーガー効果は認知バイアスの一種であると触れました。

認知バイアスの解消には自己認識を深めたり、多角的な視野を身につけることが重要です。

そのために、以下のような取り組みをしましょう。

  • 客観的な自己評価:
    • 自身の能力や知識を過大評価せず、客観的に評価する習慣を身につけましょう。定期的な自己評価や、周囲からのフィードバックを積極的に求めることが有効です。
  • 謙虚な姿勢:
    • 常に謙虚な姿勢を保ち、自身の限界を認識しましょう。新しい知識やスキルを学ぶ意欲を持ち続けることが重要です。
  • メタ認知能力の向上:
    • 自身の思考プロセスを客観的に把握し、評価する能力(メタ認知)を高めましょう。これにより、自己過信や誤った判断を避けることができます。

継続的な学習と成長

継続的な学習と成長は、自己認識を深める一助となります。

  • 専門知識の習得:
    • 業務に必要な専門知識を継続的に学習し、最新の情報を常に把握しましょう。研修やセミナーへの参加、関連書籍の購読などが有効です。
  • 多様な視点の獲得:
    • 異なる分野の知識や経験を持つ人々と交流し、多様な視点を取り入れましょう。これにより、偏った考え方を避け、より広い視野を持つことができます。
  • フィードバックの活用:
    • 上司や同僚からのフィードバックを真摯に受け止め、自身の改善に繋げましょう。批判的な意見も、成長の機会と捉えることが重要です。

外部とコミュニケーション

  • 外部とのコミュニケーション:
    • 組織外の人とのコミュニケーションを促進し、意見交換や情報共有を活発に行いましょう。これにより、誤った認識や情報の偏りを防ぐことができます。

これらの意識と行動を実践することで、公務員はダニング=クルーガー効果の影響を最小限に抑え、より高いパフォーマンスを発揮することができます。

まとめ:自分はどうすべきかだけを考えれば良い

ダニング=クルーガー効果は、公務員組織にとって無視できない問題です。

組織全体でこの心理現象を理解し、適切な対策を講じることで、組織の活性化と住民サービスの向上に繋げることができます。

ただし、公務員は巨大組織です。

「組織全体でこの心理現象を理解し〜」とは記載していますが、自分一人の力でどうにかなるものではありません。

とすると、考えるべきことは「自分自身がどうすべきか」。

あなた自身が、自己認識を深めることで周りを客観的に理解することができるようになり、ダニング=クルーガー効果に嵌まらずに済みます。

自分自身は、ダニング=クルーガー効果(の、特に「能力を過大評価する方」)に陥っていないか、改めて考えてみてください。

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