鷹です。
30代後半でノンキャリ国家公務員(地方局)からノンキャリ国家公務員(本省)へ転職し、その後40代になって民間企業へ転職しました。
一度目の国家公務員時代、私は組織内での女性登用、女性のキャリアアップの施策に取り組んだことがあり、それがきっかけで、女性の社会進出や働き方には非常に関心を持つようになりました。
生産労働人口が減少している状況で、いかに人材を確保するかということは喫緊の課題です。
私としては、女性こそがその鍵を握っていると考えています。
なのになかなか進まない女性活躍…
もやもやしているのにこの考えををうまく表現できない。
それが最近とある記事で言語化されていて、「これだ!」と思ったことがありました。
そう、女性の「キャリアの差」は「夫の差」。夫次第で女性のキャリアは決まってしまうという記事です。
その記事の紹介と女性が生き生きと働ける社会になるにはどうしたらいいのか、について考察します。
女性のキャリアアップを阻むもの
一度目の国家公務員時代、その組織ではただ単にフルタイムで働き続けるだけではキャリアアップすることは難しく、やはり「花形部署」と言われる、組織の中枢を担う繁忙部署を経験することがキャリアアップにつながる(ほぼ)唯一の道でした。
しかし社会人として一番経験を積み、飛躍することができるタイミングである30歳前後というのは、女性は結婚、出産、子育てという人生の別のステージと重なるタイミングでもあり、仕事にフルコミットすることが困難です。
そして子育てが一段落ついた頃にはもう40代半ばだったりして、30代でバリバリ仕事をこなしてきた男性とそこから同じステージに立つことは到底できません。
つまり、家事・育児が女性のキャリアアップを阻むのです。
なので当時は、子育てしながらも花形部署で仕事ができるような女性自身の意識改革や、働きやすい環境を整えることに注力していました。
子育て中であっても「残業なし」という条件で花形部署へ配属し、組織の中枢業務の経験する。
そうすることで男性と同じステージでキャリアアップを目指せる。
社会も、組織も、そして私もそういう考えで、女性が活躍できる環境醸成に取り組んでいました。
おかげで、その取組は少しずつ成果を出し始め、前向きにキャリアを考える女性が増えていきました。
当時の私としては「組織としてできることはすべてやっている」くらいの気持ちです(本当にすべてかどうかは別ですけどね、気持ちとしては)。
だからこそ感じる、「頭打ち感」。
せっかく実を結び始めたというのに、やれることはすべてやっている(と思っている)のに、本当はもっともっと組織全体として女性の活躍が当たり前になってほしいのに、「ちょっと良くなったね」で頭打ちになってしまった感じ。
とてももやもやしました。
家事・育児をしながらも働ける環境を作ることが、女性のキャリアアップを後押しする?
あるとき、女性を集めて意見交換会を開いたことがありました。
意図としては、女性に対するあらゆる施策について、その当事者からの意見を聞くということでした。
ほとんどの女性はポジティブな意見を出してくれました。
- こういう取り組みのおかげで、自分には経験できないと思っていた部署を経験できた
- 残業なしという条件があるので、まわりに遠慮する必要がなく気がラク
- なんなら残業できるのに残業できなくて申し訳ない笑
などなど。
ただ、その中で、まったく異なる意見を出す方がいました。
「私はキャリアアップなんてしたくないのにこの施策の対象にされた。家事育児がどれだけ大変かわかってますか?夫は同じ職場ですが何もしないし、こっちは毎日朝からご飯作って子どもを学校に送り出してなんとかぎりぎり時間どおりに出勤。定時に上がったら買い物、夕飯の支度、掃除、片付け、洗い物…もう、バタバタなんですよ。なのにキャリアアップ?出世?これ以上忙しくなるなんて、もうっ…」
と鬼気迫る勢い。
正直面食らいましたし、「いやいや、家事が忙しいのはあなただけじゃなくて、ここにいる他の女性も同じでしょ…」って、思いました。
何なら、組織としてこっちはここまで制度整えてチャンスを作っているのに、当人がそういう考えならどうしようもないよね。
むしろその女性職員を「諦め」た状況でした。
でも、そうじゃない。ときを経て気が付きました。
そもそも当時の私達が行っていた施策は、女性が家事・育児を担う前提だったのです。
女性が家事・育児を担う前提である以上、いくら残業0を謳ったところで女性の負担は減らないのです。
家事・育児が女性のキャリアアップを阻んでいるのであれば、家事・育児をしながら働ける環境を作るのはその一つの対策ではありますが、「家事・育児は夫婦で協力してするもの」という男性への意識醸成も重要であるはず。
そう考えるようになりました。
女性のキャリアアップは「夫」によって左右される
近年、政府や企業による「女性活躍推進」の取り組みが進んでいる一方で、現実には【女性のキャリア】には大きな壁が存在しています。
その大きな要因のひとつが「夫の意識」です。
いくら女性が働きたいと思っても、夫が家事・育児を“手伝う”程度の意識では、女性が仕事でキャリアアップするのは難しいのが現実です。
先の例に出てきた女性職員も、夫は同じ職場というのですから、ある程度お互いに状況は理解できるはずです。
おそらく、その夫自身、家事・育児は女性がするものという意識があるのだと思います。(無意識かもしれませんが)
そんな状況で、女性がキャリアアップを目指せるわけがない。
そもそも目指す意欲も生まれない可能性があるのです。
一方で、全く状況が異なる女性職員もいました。
子どもを出産後、産休育休は取っていたものの、復帰後しばらくして、なんと繁忙部署勤務となったのです。
「残業0」の条件付きではありますが、残業がなければ暇なのかと言えば当然そんなことはなく、日中は大量の業務に忙殺され、なんとか定時でキリをつけて帰る、そういう生活だったそうです。
では夫はというと…
この女性職員の夫も同じ職場でしたが、積極的に家事・育児を担ってくれていたそうです。
お互いに忙しいながら、お互いに協力し合って、お互い家事・育児をする。
そうすることで自然と女性もキャリアアップを目指す心理的余裕や、時間的余裕が生まれます。
このとおり、家事・育児に対する夫の意識こそが女性のキャリアアップの差となるのです。
キャリアを本気で考えるなら「夫選び」は戦略の一部
だからこそ、キャリア形成を真剣に考える女性は、「夫選び」も同じくらい真剣に取り組む必要があります。
どれだけ優秀で志の高い女性であっても、パートナーの協力がなければ、キャリアは途中で頓挫する可能性があります。
それは先の例に挙げた二人の女性の状況が物語っています。
夫が家事育児を“当然の責任”として担う人であるかどうか。
女性のキャリアを自分事として応援できる人かどうか。
それを見極めることは、キャリア戦略の一環と言えます。
「仕事も家庭も大事にしたい」と思うなら、その両立を共に実現してくれるパートナーが不可欠なのです。
まとめ:女性のキャリアは「夫によって決まる」という現実
現代においても、【女性のキャリア】はまだまだ「夫の意識」に大きく影響を受けています。
女性の社会進出が頭打ちになるかどうか。
それは、世の中の男性の意識が変われるかどうかにかかっています。
そしてその現実を見据えたとき、キャリアを真剣に考える女性は、夫選びを「人生の選択」であると同時に「キャリア戦略の一部」として捉える必要があります。
好きだから結婚する。「キャリア戦略の一部」だなんて打算的に相手を選びたくない。
そう考える女性もいるかと思います。
それはごもっともなのですが、あなたのキャリア、人生を一緒に考えてくれない人でいいのですか?
あなたの人生を自分自身の人生と同じように価値を感じて大切にしてくれる人こそが、あなたにとって大事な人になるのではないでしょうか。
そして男性のあなた。
大切な人であれば、パートナーである女性の幸せを本気で願い、キャリア、人生を心から応援できるはずです。
女性が活躍できる社会は、女性も男性も、それぞれが自分と相手の人生を大切にし合うことで醸成されると思っています。
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