鷹です。
30代後半でノンキャリ国家公務員(地方局)からノンキャリ国家公務員(本省)へ転職し、その後40代になって民間企業へ転職しました。
公務員は感覚が世間とズレている…と言われたことはありませんか?
公務員としてしか働いたことがない人にとっては「一体何が?どこがズレているの?」と感じるかもしれません。
一生公務員として働くのであれば、ズレたままでも何も困らないでしょう。
でも、加速度的に進化していくこの世界で、自分自身は今のままで良くても、世間が現状維持を許さなくなってきています。
公務員として働き続けるとしても、自分の視点はズレているかもしれないということは意識した方がいいかもしれません。
公務員が世間とズレているところ
いかにして予算を使い切るか
公務員の予算は全て税金(または借金)です。
国家公務員であれば、そのお金をどう使うかは全て国会を通して決められます。
会計年度(4月から翌年の3月まで)で予算が決められ、年度末になると「今年の予算をどう使い切るか」ということを一生懸命考えます。
民間企業であれば、経費は使わずに済むならそれに越したことはないはずなのですが、公務員はそうはいきません。
なぜなら、予算を使い切らないと、翌年の予算が減額されるという矛盾が生じるからです。
今年の予算が余った→そんなに必要ない→だから翌年は予算減額しても大丈夫だよね
という思考です。
こうなると、本当に必要な時に使える予算がないということになってしまうため、無理矢理にでも予算を使い切るのです。
誰も得しない手続き
お役所の手続きは、未だにオンラインではなく現物の紙の提出が必要だったり、いくつも同じ情報を記載することが必要だったり、一体なんのためにそれが必要なのかわからない煩雑な手続きがたくさんあります。
きっと必要だからそういう手続があるのでしょう…と思いきや、必ずしもそういうわけではないのです。
はっきり言います。
これまでずっとそうしてきたから、今もそうしているだけ
なのです。
自分もお役所にいたからわかります。
前年踏襲をきっちりなぞっていれば評価される世界ですし、何も考えずに前年踏襲していれば間違いもないし仕事が増えません。
オンラインにしたいけど事情があってオンラインにできないからやむなく手書き書類…にしているのではなく、オンライン化することが思いつかない、またはオンラインにする手続きを面倒がって手書き書類が継続されているだけです。
その仕事、必要ですか?
公務員の仕事は「前年踏襲」が基本です。
別に法律で決まっているわけではないのですが、もうそうなんです。仕事の仕方が。
そのため、この作業がなんのためにあるのか?がもはやわからなくなっている仕事もあります。
でもみんな無心に続けます。
なぜなら、「今までやってきたから」。
公務員がこの仕事をするかしないかを判断する基本的な基準は「今までどうだったか」です。
もちろん、これからどうするかを検討するために、今までどうだったかを把握することは重要ですが、それは「判断基準」ではなく「単なる情報」のはず。
でも公務員は、それが「判断基準」となり、今までやってきたことはこれからもやっていきます。ひたすら。
その仕事、必要ですよね?
公務員の仕事は「前年踏襲」が基本です。
そのため、「今こういう課題があるので、こういう取り組みが必要だと思います」なんて上司に進言するとどうなるか。
「確かに課題かもしれないけど、これまでそれでやってこれたんだよね。今更それやる必要ある?」
と言われます。
今までやってこなかったから課題として今眼の前にあるわけであり、改善するためにはその課題に目を向ける必要があります。
でも前年踏襲が基本の組織では、「今までやってこなかったことはこれからもやらなくていい」というのが基本の考え方です。
その仕事の必要性を吟味して、やるやらないを判断するのではなく、「今までやってきたかどうか」が判断基準です。
よほど国会で叩かれた、強硬なトップがやれと指示してきた、というどうにもならない事情がない限り、一職員(しかも一部下)の課題意識が取り上げられることはありません。
みんなでお手々繋いでゴールしたい
他の省庁がやっていないことを、ウチだけがやるのは嫌だ。
他の省庁がやっていることを、ウチだけがやっていない状態は避けたい。
こういう思考です。
前者は、とにかく仕事を増やしたくないので、他の省庁がやっていないならウチもやらないでいいよね、という発想です。
仮にやっていないことが公になって国民から叩かれたとしても、ウチだけが叩かれるわけじゃないからいいじゃん、というところです。
後者は、他の省庁がやっているのにウチだけがやっていないと、何かあったときにウチだけが叩かれてしまう。
それだけは避けたいから、他の省庁がやっているならウチもやろう、という発想です。
過去に話題になりましたが、みんなでお手々繋いで一列でゴールすることを目指すような世界です。
無事にゴールすればみんな同率一位。
誰かがコケればみんな共倒れ。
視野を広く持たなければ、どこで働いても井の中の蛙
これは、私が公務員を辞めたから気付いたことではなく、現役公務員の時代から「おかしいな」と感じていたことです。
つまり、普段から公務員以外の人と関わりを持つ、外で起きていることに関心を持つ、本を読む、、、ということをしていれば自然に気がつく違和感なのです。
でも多くの公務員は気が付きません。
それは、外部の情報に触れる機会が少ないからです。
私は2つの組織を経験しましたが、お役所と言えども、企業や国民との距離が近い組織(直接、接する機会がある組織)は、どういったことが国民、企業の関心事か、どういうことが世の中の主流となっているかということをよくわかっています。
中央省庁になるほど、国民や事業者との距離が遠いため、ほんとに異次元の感覚を持っています。
一昔前、当時の麻生首相が、マスコミからカップラーメンの値段を聞かれ、頓珍漢な回答をして話題になったことがありますよね。
公務員とはちょっと違う話ですが、言いたいことは同じです。
公務員に限らず、自分の世界以外との接点を持たない限り、どこで働いても井の中の蛙です。
まとめ:なんでもいいから外部との接触を増やそう!
公務員が世間とズレている点について解説しました。
そして自分の世界意外との接点を持たない限り、どこで働いても井の中の蛙であるということに触れました。
その問題を解消するためにはどうしたらいいか。
それは、なーーーんでもいいから、何かしら外部の人との接点を持つことです。
職場が異なる友人との交流もそうですし、ボランティア等の社外活動もおすすめです。
一番手っ取り早いのは多くの本を読むこと。
読書は馬鹿にできませんよ。
まずは何でもいいから取り組みやすいことから手を付けて、外部との接点を増やすことがズレている感覚を標準化する第一歩です。
いろんなことが見えてきて、とっても楽しいですよ!
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